津軽三味線はどこで製作しているのか?
当店の先代は青森県青森市の出身でしたのでお陰様で今でも津軽三味線のお客様が多いです。
で、津軽三味線は「津軽」という今でいう青森県という地域名が入っているものですから当然ながら青森県で製作されていると思われがちです。
ですが、本当は青森県だけで製作された津軽三味線というのはありません。
青森県に三味線を製作する職人またはメーカーは無い?
津軽三味線に限らず三味線すべてそうなのですが、日本の楽器ですから日本文化を反映して「分業制」で製造されています。
目立つところでいうと「棹をつくる職人」「胴をつくる職人」「皮を張る職人」がいます。そのほかにも「金物(福林や上駒など)をつくる職人」「皮をつくる職人」「撥をつくる職人」「絃をつくる職人」などたくさんいらっしゃいます。
で、三味線の価格を決定づける最大のポイントである「棹」をつくる職人というのは今、現在、青森県には居ないのです。「胴をつくる職人」も確か居なかったと思うので、実際に青森県内でやっている作業は「皮を張る職人」さんだけというのが現状です。
ですので津軽三味線の「津軽」というのはあくまで奏法や型などの「スタイル」のことであり、津軽で製作されていることを指しているわけではありません。
ということで、詳しい名前は明かせませんがいくつかのメーカーさんをご紹介しましょう。
三味線メーカー
関東の、とあるメーカー
例えば上記のような番号が記載されたシールが中子に貼ってある三味線はというと... 関東のとある老舗三味線製造元 なんです。ここの特徴はというと.....
- 製造工程は機械化されている(いわゆる機械造りの三味線)
- けど純国産製の三味線を提供している
- 少し訓練を受けたパートの方でも三味線造りに携われるくらいかなり機械化されたメーカーさん
- 有名な製品は「エレキ三味線」や「もどらない糸巻き」など 当店でも2005年くらいまで取り扱っていました
- 胴も自家製※ふくらみが少なくまっすぐなので胴が少々小さく見えるのが特徴
- 胴の仕込口が真ん中より少々上側(表側)にあいている※今はもしかしたら改善してるかも
- ここ製造の三味線は糸巻きの金具の取り付け位置が悪いのが難点※今はもしかしたら改善してるかも
- ここ製造の三味線はホゾが固くなりすぎる場合がある※機械造りの難点
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